鋳造
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初心者向け砂型鋳造ガイド

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砂型鋳造の概要

砂型鋳造は、その名前が示すように、砂を使った鋳造方法です。金属を溶かして砂型に流し込み、冷却して固めることで製品を作ります。この方法は、その柔軟性と比較的低コストなどの利点から広く利用されています。


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1. 砂型鋳造の基礎知識砂型鋳造とは?

砂型鋳造は、金属を溶かして得られた液体金属を砂型に流し込んで製品を形成する鋳造方法です。この方法では、砂を型として使用するため、複雑な形状や大型の製品を作ることが可能です。砂型鋳造は、古代から存在し、現代の産業においても幅広く利用されています。

砂型鋳造のメリット・デメリット

メリット

  • 型にかかるコストが安い: 砂型鋳造では、比較的低コストで型を製作することができます。砂や粘結剤などの材料費が比較的安価であり、また、型自体の製作にも特別な機械や技術を必要としません。
  • 比較的短期間での完成: 砂型鋳造は、型の製作から製品の完成までの時間が比較的短いです。砂型を使った鋳造は、型自体が比較的容易に製作できるため、製品の生産スピードが速いという利点があります。
  • 複雑な形状が可能: 砂型鋳造は、複雑な形状の製品を作ることができます。砂型を使って型を作るため、曲線や細部まで再現することが可能です。
  • 大型製品の製作が可能: 砂型鋳造は、比較的大型の製品を作ることができます。砂型は大きなサイズの型を製作するのに適しており、大型の機械部品や建築材料などに広く利用されています。
  • 素材の選択肢が広い: 砂型鋳造では、さまざまな金属や合金を使用することができます。鋳造に適した金属や合金の種類が豊富であり、使用する材料を製品の要求に合わせて選択することができます。

デメリット

  • 表面のざらつき: 砂型鋳造では、製品の表面に砂の粒子が付着するため、表面にざらつきが生じることがあります。このため、表面処理や仕上げ工程が必要になる場合があります。
  • 単価が高い: 砂型鋳造は、比較的低コストで型を製作できる一方で、製品ごとの単価は比較的高くなる傾向があります。特に、小ロット生産や特殊な形状の製品を作る場合には、単価が高くなることがあります。
  • 生産性が低い: 砂型鋳造は、一度に1つの製品しか作ることができません。そのため、大量生産や連続生産には向いていません。
  • 量産には向かない: 砂型鋳造は、比較的低コストで製品を作ることができる一方で、量産には向いていません。型の製作や鋳造工程には手作業が多く必要であり、大量生産には適していません。
  • 寸法精度が低い: 砂型鋳造では、製品の寸法精度が低くなることがあります。特に、複雑な形状や細部のある製品を作る場合には、寸法精度が低下する傾向があります。

2. 砂型鋳造の詳細プロセス

  1. 木型製作 砂型鋳造の最初のステップは、木型の製作です。木型は、最終的な製品の形状を持った型として使用されます。木型は、通常、木材や合成樹脂などの素材から作られ、製品の形状や寸法に合わせて加工されます。木型製作では、まず設計図やCADデータをもとに木型の基本形を作り出します。次に、彫刻刀やCNC加工機を使用して、木型の詳細な形状や細部を作り込んでいきます。この過程で、製品の形状や寸法の正確さが決定されます。
  2. 砂型造型 木型が完成したら、次に砂型を造型します。砂型は、金属を流し込む際の型として使用されます。砂型は、通常、シリカ砂と粘結剤(ベントナイトやフェノール樹脂など)を混合して作られます。砂型造型では、まず型箱に木型をセットし、その周囲に砂を詰めていきます。砂を詰める際には、振動や圧縮などの手法を用いて砂を密にし、型の形状を正確に再現します。そして、型箱を開けて木型を取り出し、空いた空間に溶解した金属を流し込むことで製品を形成します。
  3. 中子作成 砂型鋳造では、内部に空洞を持たせるために中子を使用します。中子は、製品の内部に空間を作り、製品の軽量化や強度向上に役立ちます。中子は、砂型内に配置され、金属が流し込まれた後、空洞を残します。中子の形状や配置は、製品の設計に基づいて決定されます。
  4. 鋳込み 溶解した金属を砂型に流し込む工程を鋳込みと呼びます。この工程では、金属が高温で液体状態であり、砂型の形状に従って流れます。金属が流れる際には、振動や圧力などを使用して空気や不純物を排除し、製品内部の品質を確保します。鋳込みが完了すると、金属は冷却して固まり、製品が完成します。
  5. 溶解 鋳込みに先立ち、金属を溶解する工程です。溶解炉や溶解炉で金属を加熱し、液体状態にします。溶解温度や溶解時間は、使用する金属の種類や製品の要求に応じて調整されます。液体金属は、鋳込み時に砂型に流し込まれます。
  6. 注湯 鋳込み工程において、金属を砂型に流し込む際に、一定の高さから金属を流すための追加の圧力を与える工程です。注湯は、金属の流れを制御し、砂型内に空気や不純物が混入するのを防ぐ役割があります。適切な注湯は、製品の品質や形状の一貫性を確保するために重要です。
  7. バラシ 製品が十分に冷えた後、砂型から取り出す工程をバラシと呼びます。バラシでは、型を開いて砂を取り除き、製品を取り出します。バラシには、手作業や機械を使用して型を解体する方法があります。この工程では、製品の形状や表面の損傷を最小限に抑えることが重要です。
  8. 仕上げ・熱処理・表面処理 製品が冷えた後、仕上げや熱処理、表面処理を行います。仕上げ工程では、製品の表面を磨いたり、不要な部分を削り取ったりして、製品の外観や形状を整えます。熱処理では、製品の強度や耐久性を向上させるために、適切な温度で加熱処理を行います。表面処理では、製品の外観や防錆性を向上させるために、塗装やめっきなどの処理を施します。
  9. 追加工 必要に応じて、製品に追加の加工を行うことがあります。例えば、穴あけや切削などの加工を施し、製品の機能や形状を最終的に仕上げます。追加工は、製品の仕様や用途に応じて行われます。

3. 砂型鋳造で使われる鋳物砂の種類と特徴

鋳物砂の種類

鋳物砂には、さまざまな種類がありますが、代表的なものとして、以下の種類が一般的に使用されます。

  • 生砂型(なまがた) 生砂型は、湿った砂を型に詰め込んで使用するタイプの鋳物砂です。この砂は、湿度を含んでいるため、型を作る際に砂が結合しやすく、型の強度を高めます。また、生砂型は柔軟性があり、複雑な形状の製品を作るのに適しています。
  • 自硬性砂型(じこうせいすながた) 自硬性砂型は、加硬剤や粘結剤を添加して作られた砂で、湿度を含んでいません。この砂は、特定の圧力や振動を加えることで硬化し、型を作る際には湿らせる必要がありません。自硬性砂型は、生砂型に比べて型の精度や強度が高く、大量生産に適しています。
  • ガス硬化性砂型(ガスこうかせいすながた) ガス硬化性砂型は、特殊なガスを使って硬化するタイプの砂です。この砂は、ガスが接触することで化学反応が起こり、砂が硬化します。ガス硬化性砂型は、自硬性砂型よりも硬度が高く、高温の金属を鋳込む際にも安定した性能を発揮します。
  • 熱硬化性砂型(ねつこうかせいすながた) 熱硬化性砂型は、熱を加えることで硬化するタイプの砂です。この砂は、特殊な樹脂やバインダーを添加して作られ、一定の温度に加熱すると硬化します。熱硬化性砂型は、高温の金属を鋳込む際にも安定した性能を発揮し、精密な製品を作るのに適しています。

以上が、砂型鋳造で使用される代表的な鋳物砂の種類と特徴です。これらの鋳物砂は、製品の形状や材料、製造条件に応じて適切に選択され、鋳造プロセスの品質と効率を向上させます。


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まとめ

砂型鋳造は、その柔軟性と多様性から、多くの製品に適用可能な鋳造方法です。その重要性は今後も続くでしょう。新たな材料や技術の進化により、砂型鋳造の可能性はさらに拡大すると期待されています。

特に複雑な形状や大型製品の製造に適しています。自動車や船舶、建築材料など、さまざまな分野で砂型鋳造が活用されています。将来的には、より効率的な製造プロセスや持続可能な材料の使用が求められる中で、砂型鋳造の需要はさらに高まるでしょう。

以上の内容を通じて、砂型鋳造の基礎知識や詳細なプロセス、利点や課題、さらには環境規制や材料についても理解を深めることができます。これによって、製品の設計や製造において砂型鋳造を活用する際の指針となるでしょう。

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まーくいもの
まーくいもの
アルミニウム鋳造(ちゅうぞう)
YouTubeでアルミを溶かして何か作ってます。まーくいものと言います。 アルミ鋳造の動画を投稿を始めてから色々興味が出てき、製作物の販売・ブログ等を始め様と思います。今後はアルミニウム以外にもホワイトメタル・錫などを使ってみたいです。
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